2018年8月24日金曜日

IPPNWドイツ支部国際キャンペーン “東京2020放射能オリンピック”

IPPNWドイツ支部の原子力担当者ヘンリック・パウリッツ氏から頂いた情報をご紹介させて頂きます:
2020年に開催される東京オリンピックを機に、IPPNWドイツ支部は国際キャンペーン “東京2020放射能オリンピック”を打ち出しました。この国際キャンペーンの目的は、フクシマ原子力災害によって住民にもたらされた健康被害および有害な影響についての情報をできるだけ多くの人々に伝え、世界中の人々が原子力の段階的廃止とエネルギー革命の重要さについて認識できるようにすることです。
ドイツIPPNWは皆さんに呼びかけています:
「IPPNWドイツ支部は全ての組織団体に訴えます:わたしたちのネットワークに加わり、このキャンペーンをコーディネートする運営グループを構成するために協力してください!
東京オリンピック開催まで、あと2年あります。ーキャンペーンをオーガナイズする時間は、まだ十分あります。」
詳しくは、IPPNWの呼びかけを下に和訳しましたので、それをご覧になってください。
原文(英語)へのリンクです:https://globalethics.files.wordpress.com/2018/07/ippnw-2018-07-11-tokyo-2020-the-radioactive-olympics-en.pdf

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IPPNW ( 核戦争防止国際医師会議 )ドイツ支部

                  国際キャンペーン
              ”東京2020ー放射能オリンピック”
2020年、日本は東京オリンピックに参加するアスリートを世界中から招いています。わたしたちは、東京オリンピックがフェアで平和なオリンピック競技となることを願っています。と同時に、わたしたちは、福島第一原発の廃墟から50キロしか離れていない福島市で野球とソフトボールのオリンピック・ゲームが催されるという計画について懸念しています。2011年に福島第一原発で起こったトリプル・メルトダウンは放射能を日本全土および太平洋に拡散しました。ー 福島第一原発事故はチェルノブイリの核メルトダウンに匹敵するスケールの大惨事となったのです。
この大惨事によってもたらされた環境への影響および社会的影響は日本の至る所で見られます:先祖代々が住みつづけ住み慣れた故郷から追い立てられてしまった一家、見捨てられた避難区域、放射能汚染された除染土の詰まった何十万ものフレコンバッグが捨てられた核ゴミ場が至る所に散在し、森・川・湖は放射能汚染されています。日本は正常状態に戻っていないのです。
今も、核ハザードとして存在する損傷した原子炉(複数)には、いつ何時、大災害がまた新たに起こるかもしれないというリスクが潜んでいます。日々、放射能汚染が海洋、大気、土壌に追加されています。途方もなく膨大な量の核廃棄物が福島原発の敷地に野ざらしで蓄積されています。またもや地震が発生したとしたら、住民や環境が重大な危機にさらされることになります。今日もフクシマ核災害は続いているのです。
わたしたちは、2020年に開かれる東京オリンピックに際して、国際キャンペーンを打ち出す計画をしています。わたしたちが憂慮しているのは、オリンピック選手や観客が ー とくに放射線の影響に敏感で脆い子どもたちや妊婦がー 地域の放射能汚染によって健康被害を受けるかもしれないということです。
日本政府の公式予算見積りによれば、東京オリンピックのために120億ユーロ以上の経費がかかるということです。と同時に、日本政府は帰還したがらない避難者全員への経済援助を打ち切ると脅かしています。国際基準は、原子力事故後の一般の人々における年間追加被ばく線量の許容量は【1ミリシーベルト】である、と限定しています。最近、避難指示が解除された区域 がありますが、そこに帰還した人々は年間20ミリシーベルトまでの被ばく線量を浴びることになります。広範囲に除染作業が行われた場所であっても、山や森が常に放射性粒子の貯蔵庫となっていますので、天候条件が悪くなれば、除染された場所が再び汚染されてしまうという可能性が、いつでもあります。
わたしたちのキャンペーンは、原子力産業の脅威について一般の人々を教育することに焦点をあてます。わたしたちは、フクシマ原発事故が発生してから今日に至るまで日本市民が、どのような健康障害にさらされているのかを明白に説明するつもりです。原子力施設は通常運転している時でさえも一般の人々の(とりわけ幼児や胎児の)健康を脅かしています。
いまだに、原子力産業が残していく有害遺産(核廃棄物)を貯蔵できる安全で耐久性のある処理施設は地球のどこにも存在しません。ー  これが 事実です。

わたしたちは、原子力の段階的廃止を要求する日本のイニシアチブを支援し、グローバル・レベルのエネルギー革命を推進させるために、オリンピック競技が惹き起こすメディアの注目を利用することを計画しています:化石・原子力燃料から遠ざかり再生可能エネルギー生産を推進することです。
わたしたちは、世界中の政界代表者が軍産複合体と関わり合いをもっているという認識を高めていかねばなりません。
わたしたちは、放射能で汚染された区域が正常に戻ったかの如く振る舞い、偽りを主張しようとする日本政府の企みを厳しく批判します。
IPPNWドイツ支部は全ての組織団体に訴えます:わたしたちのネットワークに加わり、このキャンペーンをコーディネートする運営グループを構成するために協力してください!
東京オリンピック開催まで、あと2年あります。ーキャンペーンをオーガナイズする時間は、まだ十分あります。
みなさんからのご連絡をお待ちしています。
よろしくお願いします。

“  放射能脅威のない2020年東京オリンピック “のために:
アネッテ・ベンシュ – リヒター – ハンゼン ( Annette Bänsch-Richter-Hansen )
ヨルク・シュミット ( Jörg Schmid )
ヘンリック・パウリッツ ( Henrik Paulitz )
アレックス・ローゼン( Alex Rosen )
〈和訳:グローガー理恵〉

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔eye4424:180803〕

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