2020年9月10日木曜日

Peace Concert

 Peace Concert 

河野康弘と愉快な仲間達with三品真美

Mr.Kono & NiceGuys with MAMI

河野康弘(P) 二本柳守(Ds) 金子道大(As) 大西慎吾(B) 三品真美(Vo)

Kono(P) Mamo(Ds)  Kim(As)  Shingo(B)  MAMI(Vo)

演奏は下記

https://www.youtube.com/watch?v=uSsKZPAkzSM&list=LL0pFtvnULX3_u5X5xtgEj7Q

 

三品真美 MAMI(111,12、14、15)

**河野康弘ソロ Mr.Kono soro(10)

 

ライブ録音

2004年1月18日(日)国立ニューシティーホール(3、5、8、9、15)

2005年3月20日(日)新宿スペースゼロ(1、2、4、6、7、11、12、13、14)

2005年5月14日(土)青山ウイメンズホール(10)

 

1、虹の彼方に(作詞 E.Y.ハーバーグ 作曲 H.アレン)*

    Over The Rainbow(E.Y.Harburg  H.Arlen)

2、ミスター・デイビス(作曲 河野康弘)

    Mr.Davis(Kono)

3、私のお気に入り(作詞 O・ハマーシュタインⅡ 作曲R・ロジャース)

     My Favourite Things(O.Hammerstein & R.Rodgers)

、昔気質の人々(作詞 D・L・ヒル 作曲 W・ロビソン)*

     Old Folks(D.L.Hill & W.Robison)

 5、○△の歌~翼(作詞・作曲 武満徹)

     ○△SongWings(T.Takemitsu)

 6、レフト・アローン(作曲 マル・ウォルドロン)

     Left Alone(Mal Waldron)

 7、混乱(作曲 河野康弘)

     Confusion(Kono)

 8、ブルー・イン・グリーン(作詞 MAMI 作曲 M・ディビス)

     Blue in Green(MAMi & M.Daivis)

 9、愛の歌(作詞 MAMI 作曲 C・ミッチェル、K・ワイル)

     Love Love Love(MAMI ,C.Mitchel & K.Weill)

 10、冬のソナタ~初めから今まで(作曲 ユ・ヘジュン)**

     Sonata of Winter(Y.Hejyun)

 11、希望の歌(作詞 MAMI 日本古謡

     Good Hope(MAMI)

 12、ピース(作詞・作曲 ホレス・シルバー)*

     Peace(H.Silver)

 13、ウォーターメロンマン(作曲 ハービー・ハンコック)

     Watermelon Man(H.Hancok)

 14、オール・オブ・ミー(作詞・作曲 S・サイモン、G・マークス)*

     All of Me(S.Simons & G.Marks)

 15、宇宙大シャッフル(作詞 さくらももこ 作曲 忌野清志郎)

     Cosmic Shuffle (M.Sakura  & K.Imawano)

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      ピースコンサート                                   三品真美  2005年12月

   河野康弘が22年前初めて出したアルバムのタイトルは、「ピース」で、わたしはタイトル曲を歌っています。このアルバムにはいっている曲と同じ。「子ども達がより良き日々を過ごせるようにわたし達には平和な時間が必要なのです」という歌詞は、今のわたしにはあのころよりも切実な願い、実感を伴う祈りとなっています。わたし自身が年月を経て、子どもを守りたい年齢になったせいもありますが、世界の状況が不穏になってきたのでなおさら思いがつのります。

 

   河野は、湾岸戦争以来、環境問題に関心を深め、世界の実状を知るにつれ、自身の音楽活動を基盤にできうる限りメッセージを発信してきました。ピースコンサートもその一環で、ここ数年、わたしも参加しています。このアルバムには、河野のソロコンサート、河野とわたしのデュオコンサート、愉快な仲間達が加わったコンサート、という3つのコンサートから選んだ曲を収めました。ライブでは、「一人一人が地球人という繋がりの中で、平和のために今ここで出来るなにかをやっていきましょう」という、河野のお喋りが人気ですが、このアルバムでは盛りだくさんの音楽で雰囲気をちょっと味わっていただけたらと思います。それでは、曲目について少し解説していきましょう。

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 1 虹のかなたに

  「虹のかなたには悩みなどない素敵な世界が広がっていて、青い鳥はそこに飛んでいくことができる。青い鳥が行けるなら、きっとわたしだって行けるに決まってる!」という、ジュディー・ガーランド主演の映画の主題曲。近年エリック・クラプトンが渋く歌って人気が再燃しました。ピースコンサートの幕開けには、希望に満ちた歌がいいと思いませんか?

 2         ミスター・デイビス

 河野康弘オリジナル。愉快な仲間新メンバー、シンゴちゃんのベースから始まるこの曲は、エリック・ドルフィー、エルヴン・ジョーンズなどと共演したベースの大御所、リチャード・デイビスに捧げられています。1988年、河野もわたしも、リチャードと共演、ツアーをして、その当時作られました。リチャードは、わたし達には雲の上の偉大なジャズマンで、夢のような共演だったのです。

 3  わたしのお気に入り

   ご存知、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中の歌。「犬に吠えられても蜂に刺されても、お気に入りのものの数々を心に思い浮かべると、いやな気分は消えてしまうわ」 雷におびえる子ども達を励ますシーンでしたね。この映画は、ナチに迎合しないトラップファミリーが山越えして亡命した実話です。きなくさい昨今、子ども達と一緒にこの映画を見ながら戦争と勇気について考えてみませんか?

4  昔気質の人々

   「昔気質の一少女」という少女小説があります。別名「美しいポリー」。 田舎から都会に出てきた内気な少女が両親から躾けられて身についた暖かい言動で、クールに振舞いながらも寂しい都会の人々を癒していくお話。「カップの中にスプーンを入れっ放し、ナプキンを顎の下に押し込んで、鯨を獲りに行くよ、と出て行っても小魚数匹の収穫だからステーキを用意しなくちゃいけない、あぁ、そんな昔気質のお年寄りのひとたちを、わたしたちはこよなく愛している。鳥のように自由で、自分で言うように善良で。いつか、そんな人達がこの町から消えていってしまったら、どんなにか、寂しいことだろう」 ポリーのような少女や、どこかずれているようなお年寄りから学びたいことがたくさんありますね。

5  ○△の歌~翼

  日本を代表する現代音楽の作曲家、武満徹さんは、ご自身が詩をつけたシンプルな歌もたくさん作っておられます。ジャンルを超えていろんな歌手が歌っています。クラシックの歌のコンサートは行き渋ったという武満さん、天に召された今、雲の上で聴いててくださったかしら?二曲とも、スケールが大きい歌詞で、とても気持ちいい。ぜひ、みなさんも大声で歌って、歌いつないでいきましょう。

 6  レフト・アローン

   河野は、1995年ベルギーで開かれたブリュッセル・ピアノフェスティバルに参加したときにこの曲の作曲者マルさんと共演しました。そんな縁で、1996年、日本でわたしとのコンサートも実現しました。ジャズ通ではない方に付け加えますと、マルさんは、高名なジャズピアニストです。彼は「黒い雨」という広島の原爆を悼む歌もジーン・リーと録音しています。1998年8月6日には原爆ドーム前で2台のピアノ、100本のローソクを並べて河野と平和を祈る演奏をしました。2003年12月天に召されてしまいましたが、彼の音楽への真摯な情熱、ひとへの深い愛、平和への思い、暖かくユーモアたっぷりのお人柄をわたし達は決して忘れることはありません。この曲は、ビリー・ホリデイが歌いながら一緒に作ったといいます。単に失恋の歌というより、わたしには、差別に晒される者の苦悩を感じる曲です。

  混乱

  河野康弘オリジナル。新作です。世界の混乱、自身の混乱。愉快な仲間達のぶっ飛んだ演奏が楽しめます。マモさんのソロ、堪能してください。

 8  ブルー・イン・グリーン

   マイルスのこの美しい旋律を、いつか歌いたいと思ってきました。タイトルがまるで地球のことのように感じて、こんな歌詞をつけてみました。生き生きと鮮やかな木々の緑と清浄な水の青。地球のこの色が変わってしまったら、きっと人間は住めなくなってしまうでしょう。わたし達は、畏敬の念で自然をみつめ、自然を愛し、自然から生きる術を習っていきましょう。

 9  愛の歌

  「だって愛からしか奇跡は生まれない」 これは、わたしの持論。復讐とか怨念とか、憎しみや嫉妬を正当化していたら、いつまでたってもぐるぐる回りの世界ではありませんか。せめて、日常の些細な不愉快は笑い飛ばして次に進めないものかしらという願いの歌です。まずは、一人一人の心の中を平和にしなければ、世界の平和にはならないでしょう。「ユー アー マイ サンシャイン」と「マック ザ ナイフ」を交互に歌うアレンジは、歌っていたら自然にそうなってしまったから。

 10  冬のソナタ~初めから今まで

  河野のピアノソロ。リクエストが多くてレパートリーになりました。お隣の国ともっと仲良くなって、お互いに知り合いたいという河野の願いを込めた渾身の一曲です。

 11  希望の歌

   この曲は、わたしが小学校時代、音楽の教科書に載っていて、作者不詳、日本古謡と書いてあったように記憶しています。好きなメロディーで、歌うのが好きでした。地球ハーモニーで毎年招待する南アフリカコーラス、レインボースターズは、必ずナショナルアンゼムを歌います。日本でも心置きなくみんなで歌える歌があったらいいなと、歌詞を考えました。

 12  ピース

   20数年前、ダグ・カーンの「インファントアイズ」というアルバムで、ジーン・カーンが歌うこの曲を聴きました。ブラックジャズシリーズの一枚で、彼らの音楽は「スピリチュアル・ジャズ」と呼ばれていました。コルトレーンの「至上の愛」にも歌詞をつけて歌っていました。カーン夫妻は真摯なイスラム教徒で、信仰の顕れとしての音楽活動であり、「恋の歌ではないジャズ」が当時とても新鮮だったものです。911以降のイスラム教徒への理不尽な迫害、差別を思う時、わたしには、平和と愛への希求を歌うジーン・カーンの力強い歌声が聞こえてくるのです。

13  ウォーターメロンマン

  日本では「金魚~ぇ、金魚~」と歌いながら通りを歩く金魚やさんや、プゥ~とラッパを鳴らす豆腐やさんがいたように、アメリカにはスイカやさんがいるのでしょうね。キムさんお得意のナンバーで、アンコールでよく演奏される曲です。底抜けに楽しいですね。

14  オール・オブ・ミー

  これも、アンコールの一曲。みんな、伸びやかです。わたしを奪って奪って!と迫る恋の歌。でも、わたしには、「世界よ、わたしに役にたつことがあるならば、どうぞこの身を使ってください」という気分なのです。

人間は潜在能力のほんの少ししか活かしていないそうですから、みんなが全てを捧げたら必ず世界は変わりますね!

15  宇宙大シャッフル

  テレビのちびまるこちゃんのエンディングテーマで聞いて、ピースコンサートでぜひ歌いたいと思いました。歌詞も曲想も、わたしたちの思いにぴったりだったのです。河野とわたしの特訓が始まりました。二人合わせて100歳の夫婦の熱演です。笑ってください!

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  河野が毎年夏に企画している平和イベント「地球ハーモニージャパンツアー」で南アフリカ共和国から来日したレインボースターズ2005のメンバー、リゾは言いました。

「僕はいつでも自分の中に平和を持っているよ」   

平和を抱いて、世界をよくしていきたいものです。 片山洋二郎さんの整体を習っているのですが、施術するときに気をつけなくてはならないのは、自分の意識です。相手の体がよくなりますように、と祈ると思うでしょう?違うのです。自分の体を、自分の中から観察するのです。内観というのですが、そうしていると、相手の体の状態が、自分に移ってきて相手のことがわかるのです。そして、双方の体調が良くなってきす。相手を心配すると良い効果が得られないのです。ひとの繋がりの不思議を目の当たりにした思いです。リゾが自分の中の平和と言った時、このことを思い出しました。

  全ての生き物と繋がっている一人一人の人間。全ての生き物の動向がなんらかの影響を与え合っています。心配や不安、恐れ、怒りに心を支配されないで、平和を抱いて、今自分にできることを逃さずにしていきたいと思います。 では、みなさん、コンサートでお会いしましょう!